これさえ聞いときゃ間違いない!今日の1曲

聞くものに悩んだらこれを聞け

【68曲目】Blowin' In The Wind (Bob Dylan,1964)

 

Freewheelin Bob Dylan (Reis)

Freewheelin Bob Dylan (Reis)

 

 

「僕と振り返るボブ・ディランの歩み」シリーズ第2回目になります。今回は1964年の2nd アルバム、「Freewheeling Bob Dylan(フリーホイーリン・ボブ・ディラン)」より開幕曲であり彼の出世作であります「Blowin' In The Wind(風に吹かれて)」をご紹介致します。歌詞はこちらなんかをご参照ください。さてさて、出世作と先述しました通り本格的に日本語による記述が多いのが今作でありますので、基本的には引用等のみで手短に済ませたいと思います。昨日が冗長だったのもあるしね。

1962年4月、グリニッジ・ヴィレッジのコーヒーハウス「ガスライト」の向かいにあった「コモンズ」で友人たちと長時間黒人の公民権運動について討論したはてに生まれ、「コモンズ」か「ファット・ブラック・プシーキャット」に座って数分で書き上げたと言われている。

「10分で書いた。古い霊歌に言葉を当てはめたんだ。多分カーター・ファミリーのレコードか何かで覚えたものだと思う。これがフォーク・ミュージックのいつものやり方だ。すでに与えられているものを使うんだ。」とディラン本人は述べている

風に吹かれて (ボブ・ディランの曲) - Wikipedia

 

 

当時20歳のボブ・ディランが、1962年4月に作曲し、彼の代表作の1つとなったこの曲は、翌63年、ピーター,ポール&マリー(P.P.M.)が歌い全米2位の大ヒットとなった。そして、今に至る40年間に渡って歌い継がれている。

紹介--そして音楽が始まる 『風に吹かれて』~ボブ・ディラン

 

 

この歌には、ベースとなった歌があったのである。

わたしを競売台に立たせないでおくれ
もういい もうたくさんだ
わたしを競売台に立たせないでおくれ
おびただしい数の人が売られていった

親方の鞭はもうたくさんだ
わたしに降り降ろさないでおくれ
親方の鞭はもうたくさんだ
数えきれない人たちが犠牲になった

 この『No More Auction Block(競売はたくさんだ)』という歌は、黒人奴隷の悲しみと自由への願いを歌っている。黒人女性ボーカリストが歌うこの歌に、ディランは、強い印象を受けたのだろう。彼自身がこの歌を歌った録音も残されている。そして、『風に吹かれて』の前半部分のメロディは、この曲から採られた。

介--そして音楽が始まる 『風に吹かれて』~ボブ・ディラン

 

 

『風に吹かれて』をカバーしたスティービー・ワンダーはこう語っている。「60年代のベトナム戦争。70年代のウォーターゲート事件。80年代の反アパルトヘイト。90年代の湾岸戦争。この歌が歌われ続けることの背景にあるものが、僕には悲しい」。

紹介--そして音楽が始まる 『風に吹かれて』~ボブ・ディラン

 

 

最後に引用しました、スティーヴィー・ワンダーの「この歌が歌われ続けることの背景にあるものが、僕には悲しい」というコメントを読むと、いまなぜボブ・ディランノーベル賞を受賞しなければならなかったのかというところの背景についてのヒントにもなりそうですね。そして、同様のプロテスタント的なメッセージというのはこの曲に限らず、「Master Of The War (戦争の親玉)」等にも共通しておりますが、他方でアルバム全てがそういったテイストなのかというとそういうわけでもなく、「Don't Think Twice, It's All Right(くよくよするなよ)」のように、恋愛に関する歌なども収録されております。なお、今回紹介したこの曲は、ボブ・ディランの代名詞とも言うべき名曲であることもあって、同曲は他にも多数の大御所によってカバーされておりまして、それらのうちいくつかご紹介して、今エントリを締めくくりとさせていただきます。

 

 

The Hollies

 

Neil Young

 

Bee Gees

 

Bruce Springsteen

 

Marc Bolan

 

The Killers