これさえ聞いときゃ間違いない!今日の1曲

聞くものに悩んだらこれを聞け

【32曲目】Ten Miles High (Róisín Murphy)

な、何者!?と思いましたがよくよく調べたら昨年のアルバム:Hairless Toysも私の年間ベスト候補に挙げながらぎりぎりで選外としておりましたRóisín Murphyさんの新譜です。正直言って、今のところ今年一番クラスの衝撃作だと思ってます。と言っても、非常に説明しづらいのですが、キャッチーとは言いづらい作品ではあって、初めて聞いた時に何とも言えない違和感が残り、それが次第に納得のような、しかしそれでいて依然として何なんだろうこれはという疑問は拭えない、そういった作品であります。これらの違和感の正体はと言うと、従来全くの異質なものと考えられていた音楽的要素が奇妙にも並存されており、しかもそれでいてそれぞれが楽曲としてかなりのクオリティを実現している点にあります。このアルバムを通して通底しているのは、前作のようなIDM寄りのフィーリングではありますが、そこに例えば初期New Orderのようなチープなリズムマシーンの音や、BjorkRadioheadを彷彿とさせるようなサウンドテクスチャもあり、さらにその延長線上としてMika Vainio等のようなノイズも入ってきたかと思えば、はたまた私が昨今追いかけているネオ・ソウル的な息遣いも感じられたり、他方ではもっと単純にインディロックっぽい構成もあったりと、とにかく今かっこいい音がチャンプルーされているのですが、普通に考えればこれだけ異質なものをかけ合せると破綻してしまいますが、しかしながらこのアルバムではそれぞれが楽曲として非常に高い水準で成立しており、そしてそれらの群体がアルバムとして一つの形を保っています。これらがなぜ成立するのか、今の私にはあまり検討がつきませんが、とにかくこのような聞き込み甲斐のあるものに出会えることこそ、音楽を聞き続ける理由になってきたのだと、改めて実感させてもらえまそた1枚です。

 

 

Take Her Up to Monto

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