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これさえ聞いときゃ間違いない!今日の1曲

聞くものに悩んだらこれを聞け

【81曲目】Don't Think Twice It's All Right (おおはた雄一)

はい、ボブ・ディランさんのDon't Think Twice It's All Right(くよくよするなよ)のカバーでございます。ボブ・ディランの日本語カバーって結構あるみたいなのでいろいろ掘れば良いものがどんどん出てきそうな感じはありますね。やっぱり日本語で聴いているほうが言葉に実感が持てます。こういうことを言うと、大学時代の知り合いが、英語のほうが直接的に響いてきてよいみたいなこと言ってたのですげえなと思ったのを思い出します。そんな風に、英語のままリアリティを感じられるほうがもっと洋楽は楽しめそうですよね、当たり前の話なんですが。自分は一応英語のままでも聞き取れはしますけど、じっくり歌詞を読み込まないと意味まではちゃんとは入ってこないです。さて、こちらのカバーは、おおはた雄一さんの「SMALL TOWN TALK~“アコースティック・ライフ"カバーズ~」というアルバムに収録されておりますが、他にも渋いチョイスの楽曲が並んでおり、我らがムッシュかまやつの「ゴロワーズを吸ったことがあるかい」のカバーなんかは確実に原曲越えしており非常にかっこよいのでお薦めです。今回のおおはた雄一さんをきっかけにムッシュかまやつの原曲バージョンのほうを紹介しようかと思って何回か聴いてみましたが、なんか天然のゆら帝みたいな感じで非常に怖かったのでやめておきます。

SMALL TOWN TALK ~“アコースティック・ライフ”カバーズ~

SMALL TOWN TALK ~“アコースティック・ライフ”カバーズ~

 

 

【80曲目】Two Months off (Underworld,2002)

ボブ・ディランばっか聴いてる日々が長らく続いてると、ふとした瞬間に街角で耳に入ってくるハウスのビートが脳に稲妻が走るほどかっこよく聞こえてきました。ボブ・ディランの非常に人間的なサウンドとのコントラストとしてのドラムマシーンとシンセサウンド。それらが一番躍動しているのは、Underworldの代名詞とも言うべきBorn SlippyやRezのようなアンセム以上に、アルバム「A Hundred Days Off」のリードトラックとも言うべきこの曲、「Two Months Off」ではないかと個人的に思っています。さてこのUnderworldという人らですが軽くおさらい。デビューは古く1988年ですが、この頃は現在の音楽性とは全く違ったといいます。ではその後何があってこうなったかというと、当時のレーベルとの契約打ち切りの憂き目の後の1992年、DJであるカール・ハイドをメンバーに迎え、抜本的に音楽性を転換したところから今の彼らに歩みが始まります。その後、先述した「Rez」をキッカケにクラブシーンでのスターダムを駆け上がり、そしてさらには映画としても名作として語り継がれ、先日は続編製作のアナウンスがありました「Trainspotting」の主題歌として「Born Slippy」が、今度はアンダーグラウンドを飛び出て一般リスナーにまで届く大ヒットとなり、その名声を確たるものとしました。なお、「Trainspotting」の続編の話題が盛り上がっているなかで、いくつか当時のこぼれ話も出てきているのですが、なんと当時、最初に主題歌の製作を頼まれたのは彼らではなくてOasisだったという話まで出てきているそうです。しかしながらそれは実現しなかったのですが、それはOasisの面々が、「郊外の電車の高架下に集まってキメる」という隠語である「Trainspotting」の意味を履き違え、文字通り鉄オタのための映画だと思って断ったそうです。「Morning Glory」のような明らかなドラッグソングをレパートリーにしながらそんなことあんのかよとかいう話ではありますが、隠語やスラングの類なんて案外そんなものかもしれません。Born Slippyがこの手のジャンルをポピュラーミュージックにまで押し上げたことを考えると、Oasisが快諾していた世界ではもしかすると以前アンダーグラウンドの音楽だったりしたのかもしれません。とは言え、Underworldの音を考えるとそれも杞憂というか、彼らは遅かれ早かれいまのような立場になっていたのではないかとも思うわけです。どういう事かというと、彼らのサウンドの特徴として、この手の音楽にしてはアクやクセがなく非常に聴きやすいという点があります。スマートで洗練されていて、もちろんダンサブルで、かつメロディアス。聞きようによっては非常にアーバンにさえ響いてくるわけです。それらは時代の最先端のポップスとしていつだって求められてきたものですし、その趨勢は今後も変わることはないでしょう。ちょっとアンダーグラウンドだったり、ちょっとアバンギャルドだったり。その「ちょっと具合」というのは時と場合によりまちまちではありますが、Underworldのその「ちょっとアンダーグラウンド具合」というのをあの時代が確実に求めていました。そんな彼らのアンセム・RezやBorn SlippyよりほんのちょっとハウスよりなTwo Months Offという曲を、僕は時々無性に聴きたくなるのでした。

 

 

A Hundred Days Off

A Hundred Days Off

 

 

 

【79曲目】Losing My Religion (R.E.M)



ボブ・ディランに限らず素晴らしい歌詞を書くアーティストは数多く存在するわけで、じゃあ自分は誰の書く歌詞が好きか、考えてみたところ、一番最初に思いついたのはジョン・レノン、次にモリッシー、そしてカート・コバーン。Foster The Peopleのマーク・フォスターもシニカルで良い歌詞を書きますね。こう列挙してみると自分のある種の素直さを突きつけられているようで少し恥ずかしい気持ちもします。なお、一番好きなミュージシャンは?と聞かれると、レディオヘッドだと答えるのですが、他方でトム・ヨークの書く歌詞でそんなめちゃくちゃ好きなのがあるか?と言われるとパッとは思いつかないのが事実なんですよね。たしかに、僕と同じように、他に歌詞の良いミュージシャンは誰か?といった話題を近頃よく見かけますが、トム・ヨークの名前が挙がっているのはついぞ見たことがない気がします。意外とインパクトや鋭さみたいなのに欠けるんですよね。さて、そんなトム・ヨークが影響を公言し、一時期はよくつるんでいて、しかしトムとは違い、歌詞のよいミュージシャンとしてよく名前が挙がっている印象があるのが、解散してはしまいましたが、R.E.Mのマイケル・スタイプで、彼らの最大のヒット曲(らしい、調べて初めて知りました、もっとキャッチーなのあるじゃん)のLosing My Religionをご紹介。歌詞はLosing My Religion / ルージング・マイ・レリジョン (R.E.M)1991 - 洋楽和訳 (lyrics) めったPOPSを参考に。とりあげておいて何ですが、正直言うと僕はいまだにマイケル・スタイプの歌詞ってそこまでピンと来てないんですよね。いやもちろん普通に好きで、曲もよく聞きますが。ちなみに、この曲はPoliceのEvery Breath You Takeのような、ある種の強迫観念めいたラブソングの類であると説明しているようなんですが、Every Breathがどことなくロマンのある印象を受けるとすれば、Losing My Religionは困惑、無力感といったワードが似合うような気がします。聞くからにドマイナーな曲調や、マイケル・スタイプの歌声のせいなのでしょうか。そういえば、歌詞のよいアーティストとして元PoliceのStingの名前もよく聞きますので、正直あんまりじっくり読んだことはありませんでしたが、そのうち取り上げてみたいと思います。

 

 

Out of Time

Out of Time

 

 

 

【78曲目】Duquesne Whistle (Bob Dylan,2012)

さてようやくこの「僕と振り返るボブ・ディランの歩み」シリーズも最終回です。長かったですね。今回は現時点で彼の最新アルバムとなります2012年の「Tempest」より「Duquesne Whistle」を。今作は前作よりさらにオシャレで聴きやすく、Wilcoの「Yankee Hotel Fox Trot」やBeckの「Modern Guilt」をよりブルージーに仕上げたような風になっております。ところで、この手の音楽を一括りにして呼べるような総称みたいなのって何かあったりするんでしょうか。漠然とインディロックと言っちゃえばそれは包括範囲が広すぎるし、インディの中でももはや一つの類型だと思うんですよね。そういった現代的で数も少ない一つの類型にセルフプロデュースでキャッチアップしていくディランの感覚には驚かされます。もし彼の現状がお粗末なものであれば、もしかするとノーベル賞の受賞も無かったのかもしれません、とまで言うと少し強引でしょうか。ただ、よく言われることでしょうが、彼は過去の栄華のご威光で懐メロ商法をするような、才能の枯れた過去の人ではありません。常に良質なサウンドを提供し続ける、第一線のミュージシャンです。今後もより洗練されたサウンドを我々に届け続けてくれることでしょう。

 

Tempest

Tempest

 

 

【77曲目】Beyond Here Lies Nothin' (Bob Dylan,2009)

10月16日からスタートした「僕と振り返るボブ・ディランの歩み」シリーズですがとうとう次回でお終いです。いや長かったなー。元々は1週間ぐらいで終わるやろと思ってましたが10日以上かかった。まあこういう感じで、有名なんだけど実は聞いて来なかったミュージシャンの歩みを概観するみたいなの今後も良いかもしれない。少なくともベストアルバムだけ聞いてはい終了、よりは実りある気はします。さて前置きがまたまた長くなりましたが、2009年のアルバム「Together Through Life」より、アルバム開幕曲でもあります「Beyond Here Lies Nothing」でございます。タイトルからして既にかっこいいです。この一言ですべて伝えきるセンスがある限りディランは多分ずっと大丈夫です。この曲に限らず、タランティーノ映画の冒頭とかで流れていても違和感のないような、バイオレンスの香りとオシャレな音像の奇妙な同居がやけに気持ち良い、近年の彼の作品群の一つの金字塔と言ってもよいような抜群の完成度を全編通して実現している大名盤です。確かに初期の彼の作風とはまるで違っていますが、これはこれとして完成しております。強くオススメできる1枚ですね。

 

トゥゲザー・スルー・ライフ(初回生産限定盤)(DVD付)

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【76曲目】Love Sick (Bob Dylan,1997)

80年代のDylanに特に聞くものはないと前回言いましたが、正直に言うとそれはミスでした。89年のアルバム「Oh Mercy」もなかなかの聞き応えのあるものでございまして、そのプロデュースを手掛けたのは、U2等も手掛けていたダニエル・ラノワですが、今回の「Love Sick」を含む「Time Out Of Mind」もまた彼のプロデュースによるもので、いきなり一気に垢抜けてビビりました。以降のオリジナルアルバムでは、このダニエル・ラノワが示した方向性を基本的に踏襲しつつ、かっての彼には受け入れられなかったであろう、都会のオシャレなカフェで流れていてもマッチしそうな、というと悪意があるような言い方にも取られかねませんが、非常にオシャレで聴き心地のよい作品を重ねていくことになります。80'sの流れにはうまく乗れなかった彼ですが、来るべきインディポップ全盛にまた唯一無二の存在感を発揮させそうな、そんな予感の漂う素晴らしいアルバムです。

 

 

タイム・アウト・オブ・マインド(紙ジャケット仕様)

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【75曲目】Tight Connection to My Heart (Bob Dylan, 1985)

 なんというか... これは非常に筆舌にしがたいというか、独特の風味があるというか、端的に言うとダサいですね。この曲が収録されたEmpire Burlesqueが1985年のリリースなんですが、80'sのボブ・ディランの音に何か聞くべきものがあるかというとかなり疑わしいと個人的に思っていて、そりゃ彼のバイオグラフィーにまでゴリゴリに掘り下げて聞きたい人は聞くのでしょうが、僕なんかはこの企画で紹介するために彼のディスクグラフィーを1枚ずつ聞いて行ってチェックをつけていくと80'sと90'sにはほぼチェック無しという具合になってしまいまして、慌てて何かしら話題性のある曲やアルバムがないかと探してみたところこの曲にキャッチーな話題があったというただ単にそれだけの話で紹介しとります。つっても、そのキャッチーな話題っていうのもせいぜい以下の引用程度の話なのですが。

「タイト・コネクション」はシングル・カットされ、プロモーション・ビデオも制作された。依頼したポール・シュレイダーの意向で、1985年4月20日密かに来日し、約一週間をかけてその撮影を東京で行った。六本木、赤坂、新宿でロケが行われ、倍賞美津子沢田研二佐野元春岩崎宏美らが出演したようだが、完成したものには倍賞美津子のみ見ることができる。しかし、ディランもシュレイダーも満足したものにはならなかったようである。

誰も幸せになっとらんやんけ!西側世界に広がりはじめた冷戦末期の浮かれムードのなかでも最も軽薄で激しいバブル前夜の日本。そんなのとボブ・ディランがハマるわけない。いま事後的に翻って考えてみれば自明の理ではありますが、当時手探りのなか一応やってみたのは本当に立派です。ただ、隠遁するならこのタイミングだったのではないでしょうか。よくこの時期に本格的にアーティスト生命を絶たれなかったなと思います。

 

Empire Burlesque

Empire Burlesque