読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

これさえ聞いときゃ間違いない!今日の1曲

聞くものに悩んだらこれを聞け

【96曲目】Andromeda (Gorillaz,2017)



フジロックのヘッドライナーにも決まったGorillazの最新作より、「Andromeda」という曲をご紹介。「Take it in your heart」というhookが印象的なこの曲は、急速に不寛容さと窮屈さを増していく今日の世界において、国境や人種などという人工的な要素ではなく、普遍的な、そしてすなわち宇宙規模(=Universal)な愛の可能性と重要性、そして何よりもその困難性を示した今作「Humanz」のハイライトの1つだと言うべき会心の出来映え。また、この曲の歌詞に登場する「It was Bobby Gracing」という一節は、2010年の前作「Plastic Beach」の楽曲「Stylo」の中でもフィーチャリングされた、2014年に逝去した伝説的ソウル・シンガーのBobby Womackを指しているが、彼が常に普遍的な愛について力強く歌い続けてきたことも浅からぬ縁のあることだろう。Take it in your heart、このニュアンスはなかなか訳出しにくいところではあるが、Keep ではなく Take とあるところを考慮すると、単純に「心に留めておいてくれ」というよりは、「自分の心に聞いてみてくれ」という意味合いが読み取れるような気もしてくる。

さて、今作のもつメッセージ的な側面の話ばかりになってしまったので、少しはサウンド的なところについて。前作 「Plastic Beach」と同じで、「Daemon Days」の頃のようなわかりやすいヒップホップ感、オールドスクール感はかなり薄まっているが、その分だけ前面に出てきたのがサイケ感。聞きようによってはある種のローファイ感とも言えそうな虚脱感は、Gorillazというプロジェクトが表現し続けてきたディストピア的、ポスト文明的な世界観に非常にマッチしていて、彼らの新機軸とも言えそうな境地に達している。よりピーキーに振り切ればAnimal Collective的な音像とも接近してきそうなこのアルバムからの楽曲群が、苗場の大自然のなかでどのように演奏されるのかが、今から待ち遠しくてたまらない。

 

 

Humanz

Humanz