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これさえ聞いときゃ間違いない!今日の1曲

聞くものに悩んだらこれを聞け

【80曲目】Two Months off (Underworld,2002)

ボブ・ディランばっか聴いてる日々が長らく続いてると、ふとした瞬間に街角で耳に入ってくるハウスのビートが脳に稲妻が走るほどかっこよく聞こえてきました。ボブ・ディランの非常に人間的なサウンドとのコントラストとしてのドラムマシーンとシンセサウンド。それらが一番躍動しているのは、Underworldの代名詞とも言うべきBorn SlippyやRezのようなアンセム以上に、アルバム「A Hundred Days Off」のリードトラックとも言うべきこの曲、「Two Months Off」ではないかと個人的に思っています。さてこのUnderworldという人らですが軽くおさらい。デビューは古く1988年ですが、この頃は現在の音楽性とは全く違ったといいます。ではその後何があってこうなったかというと、当時のレーベルとの契約打ち切りの憂き目の後の1992年、DJであるカール・ハイドをメンバーに迎え、抜本的に音楽性を転換したところから今の彼らに歩みが始まります。その後、先述した「Rez」をキッカケにクラブシーンでのスターダムを駆け上がり、そしてさらには映画としても名作として語り継がれ、先日は続編製作のアナウンスがありました「Trainspotting」の主題歌として「Born Slippy」が、今度はアンダーグラウンドを飛び出て一般リスナーにまで届く大ヒットとなり、その名声を確たるものとしました。なお、「Trainspotting」の続編の話題が盛り上がっているなかで、いくつか当時のこぼれ話も出てきているのですが、なんと当時、最初に主題歌の製作を頼まれたのは彼らではなくてOasisだったという話まで出てきているそうです。しかしながらそれは実現しなかったのですが、それはOasisの面々が、「郊外の電車の高架下に集まってキメる」という隠語である「Trainspotting」の意味を履き違え、文字通り鉄オタのための映画だと思って断ったそうです。「Morning Glory」のような明らかなドラッグソングをレパートリーにしながらそんなことあんのかよとかいう話ではありますが、隠語やスラングの類なんて案外そんなものかもしれません。Born Slippyがこの手のジャンルをポピュラーミュージックにまで押し上げたことを考えると、Oasisが快諾していた世界ではもしかすると以前アンダーグラウンドの音楽だったりしたのかもしれません。とは言え、Underworldの音を考えるとそれも杞憂というか、彼らは遅かれ早かれいまのような立場になっていたのではないかとも思うわけです。どういう事かというと、彼らのサウンドの特徴として、この手の音楽にしてはアクやクセがなく非常に聴きやすいという点があります。スマートで洗練されていて、もちろんダンサブルで、かつメロディアス。聞きようによっては非常にアーバンにさえ響いてくるわけです。それらは時代の最先端のポップスとしていつだって求められてきたものですし、その趨勢は今後も変わることはないでしょう。ちょっとアンダーグラウンドだったり、ちょっとアバンギャルドだったり。その「ちょっと具合」というのは時と場合によりまちまちではありますが、Underworldのその「ちょっとアンダーグラウンド具合」というのをあの時代が確実に求めていました。そんな彼らのアンセム・RezやBorn SlippyよりほんのちょっとハウスよりなTwo Months Offという曲を、僕は時々無性に聴きたくなるのでした。

 

 

A Hundred Days Off

A Hundred Days Off