これさえ聞いときゃ間違いない!今日の1曲

聞くものに悩んだらこれを聞け

【78曲目】Duquesne Whistle (Bob Dylan,2012)

さてようやくこの「僕と振り返るボブ・ディランの歩み」シリーズも最終回です。長かったですね。今回は現時点で彼の最新アルバムとなります2012年の「Tempest」より「Duquesne Whistle」を。今作は前作よりさらにオシャレで聴きやすく、Wilcoの「Yankee Hotel Fox Trot」やBeckの「Modern Guilt」をよりブルージーに仕上げたような風になっております。ところで、この手の音楽を一括りにして呼べるような総称みたいなのって何かあったりするんでしょうか。漠然とインディロックと言っちゃえばそれは包括範囲が広すぎるし、インディの中でももはや一つの類型だと思うんですよね。そういった現代的で数も少ない一つの類型にセルフプロデュースでキャッチアップしていくディランの感覚には驚かされます。もし彼の現状がお粗末なものであれば、もしかするとノーベル賞の受賞も無かったのかもしれません、とまで言うと少し強引でしょうか。ただ、よく言われることでしょうが、彼は過去の栄華のご威光で懐メロ商法をするような、才能の枯れた過去の人ではありません。常に良質なサウンドを提供し続ける、第一線のミュージシャンです。今後もより洗練されたサウンドを我々に届け続けてくれることでしょう。

 

Tempest

Tempest