【43曲目】Ashes to Oceans (DJ Shadow, 2016)
はい、DJ Shadowです。出てきた頃はターンテーブルを持ったジミヘンドリクスだなんて言われてたわけですが、その後消えるわけでもなく、かといって目立つわけでもない何とも言えないポジション取りで、今作を含め7枚ものフルアルバムをリリースしています。ちなみに、アブストラクトヒップホップの親とも言われていますが、実際はもうちょい早くそのジャンルは出てきていたので、正確にはアブストラクトを陽の当たるジャンルにしたとでも言うべきのような気もします。ただ個人的に彼の作品の好きなところってそういったアブストラクトっぽい部分よりもむしろメロウな所にあると感じていて、その観点からも今回とりあげたような曲調こそ彼の真骨頂だと思っておるわけです。この曲においてフィーチャリングされているのは、Matthew Halsallさんという、マンチェスターのDJ兼トランペッター。この２つって従来は兼業されるようなものでもなかったとは思うのですが、彼のように因習に囚われない自由な才能が近年のジャズ黄金期を先導しているのかもしれないと思うと非常に納得のいくところではあります。
